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「本当にやりたいこと」は3つの要素の重なりの中にある
まずは「本当にやりたいこと」との定義を確認してみましょう。
本当にやりたいこと=大切なこと×得意なこと×好きなこと
掲載のワークは3要素を見つけることを目的に準備されているようです。
案外シンプルな式だったので、「これで本当に見つかるのかな?」とも思いましたが、本書で見つかるのは行動のための仮説とのこと。個人的にはこの内容を読んで安心しました。
「これがあなたのやりたいことで間違いありません!」と言われるよりも、「方向を決めて、情報を集めながら、本当にやりたいことの精度を高めていきましょう」と言われた方が受け入れやすく感じました。
八木仁平さんは、やりたいことを探そうとしたとき、まず行動することに警鐘を鳴らしています。
「行動する」をかみ砕くと、進みながら情報を集め、そのなから自分に必要な情報を取捨選択していくことです。
やりたいことは集める情報の中の一つではなく、集めた情報の要不要を判断する時の判断基準になるとのこと。
だからこそ、動き出す前にやりたいことを見つけておく必要があるわけですね。
判断基準は言い方を変えれば考え方の軸です。考え方の軸が自分の外にあると、振り回されてしまうということは、経験しています。軸となるやりたいこと(仮説)の要素を自分の内に探すという内容が、安定した軸を見つけることにつながるとわかりました。
大切なことはピラミッド型に整理できる
大切なこと=価値観を探るワークでは、価値観として出てきたいくつかの要素をピラミッド型に整理しています。
ここでいうピラミッド型とは、下位の価値観が、上位の価値観を支え、階層化している状態です。
考え方を整理するとき、「優先順位をつけましょう」とよく言われます。単に優先順位と言われると、迷う項目もあるのですが、「下位の価値観が、上位の価値観を支える」ピラミッド型で考え方をしてみると、すんなりと順位をつけることができました。
ピラミッド型で考えてみると、これまでとは並び順が変わりました。ただ、違和感はなく、納得できる物だったので面白い発見だと思います。行動の中で検証していきたいと思います。
価値観について「内向きの価値観と、外向きの価値観がある」という点が、特に重要だと思いました。
仕事の基本は相手に価値を提供することです。内向きの価値観は自己満足の領域にとどまっています。もちろん、自分が満足しないと仕事は苦しいものになりますが、自己満足を超えて、相手に価値を提供できなければ、仕事にならないことも確かです。
振り返ってみると私も、「内向きの価値観と外向きの価値観」を明確に分けずに扱っていることがわかりました。ここは今後の計画にも活かしていきたい発見ですね。
整理してみると、自分の中で最も高い価値観と、仕事で提供したい価値観は必ずしも一致しないようです。
八木仁平さんの例でも2番目の価値観が仕事で提供したい価値観だったので、他の人はどうなんだろうと、気になる点ですね。
得意なことは自分だけでは見つけにくい
ワークを終えて考えてみると、得意なことを見つけるのが一番難しいとわかりました。
ここでいう得意なこととは「自分の思考や行動のクセ・パターンの中で、成果に結びつきやすいもの」のことです。
好きなことや大切なことは主観の視点を主として探ることができます。比べて、クセやパターンを把握するには客観の視点が必要になります。ここが「得意なこと」を探すハードルをひとつ高くしていると感じました。
書籍では、解説とワークが少し離れていると感じたので、得意なことを探る手順を下記にまとめておきます。
- ワークを通して、成果を上げられた時の思考・行動を洗い出す
- 洗い出した行動から、思考・行動のクセやパターンを整理する
- 整理した自分のクセやパターンが長所として活きる状況や条件を考える
上記の手順で整理してみると、自分の得意なことは「中長期的な計画で、手を動かしてつくること」になりました。
予感はあった様で、文字として目にみえる形になると納得できる内容でした。
やりたいことを導くために、得意なことが必要。この点を意識してみると、やりたいことは?と聞かれて真っ先に浮かぶ好きなことは、思っていた以上に変わりやすい要素だとわかります。書籍内の表現である好きなこと=情熱と考えるとなおさら移ろいやすさを感じます。
「情熱はブースター。熱量があるうちに仕組化せよ。」
これは過去に自分で書いた行動指針ですが、別の角度から同じ結論を見ることができ、理解を深めることができました。
好きなことだけを頼りに進もうとすると、その熱が冷めたときに「次はどうしよう」という大きな疑問が浮かびます。この時、得意なこと=私の場合は「つくること」が意識できていれば、「次は何をつくろう」という一歩踏み込んだ状態で情報を集めることができます。
浮かぶ疑問は、文字の上では変化が小さいですが、情報を探すうえでは大きな助けになってくれそうです。今回、自分の得意なことを再確認できたこと、それを明確に意識できたことは、ありがたい機会でした。
好きなことのワークでは意外な発見もありそう
好きなことは自覚的な項目も多く、比較的探りやすい内容だったと思います。ただ、新しい発見もありました。
ワークのひとつに「書店内を回って、ふと目を止めた書籍、手にとった書籍を探る」というものがありました。
実際にやってみると、私は「美味しそうな料理が見える本」に目がいき、手に取りやすい様です。
思い返してみると、小学校の頃から図書館で料理の本を借りることがよくありました。ただ、料理を作ることよりも、眺めて満足することが多かったように思います。
仕事を始めてからは「実用書の内容を確認したい」という目的があったため、書店内にいる時間は短かったのですが、短時間の間でも表紙の料理が気になると手にとって眺めていたことがありました。
「美味しそうな料理を眺めるのが好き」というのは意識していなかったので、意外な発見になりました。
配色が気になっている予感がするので、イラスト制作の参考にしてみても面白いかもしれません。
まとめ
本書を参考に導き出した「本当にやりたいこと(仮説)」は、下記の記事にまとめています。
ある程度納得できる内容にはなったのですが、あくまで行動のための仮説。人生の中に組み込んでいく方法はこれから探っていきたいと思います。
概要で触れたように、仮説を導くまでの要素は現在の自分の中から全て探ることができます。
また、公式もシンプルなので「せっかくワークをやったのによくわからなくて進めない」ということも、少ないのではないかと思いました。
やりたいことで生きていきたい!
…けれど、考えがぐるぐるして踏み出せない。とりあえず動き出してみたけど、やっぱりよくわからない。
そんな混乱の中で困っているなら、本書をヒントにしてみてはいかがでしょうか?
この断片があなたの星へ続く道を、少しでも照らすことを願って
「『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』から自己理解のシンプルな公式を学ぶ」への2件のフィードバック