一言で煙と言っても、その表情にはいくつもの種類があります。
室内に立ち込めた煙。焚き火からすーっと伸びる煙。煙突からもくもくと吹き出す煙。今回は、線香や香炉から出る「帯のように漂う煙」の描き方です。
動画内でも説明を入れていますが、大まかなポイントをまとめます。
目次:
くっきりとした細めのブラシで、煙のあたりを取る
煙は基本的に透明度の高いブラシと消しゴムで描いていきます。
ただ、今回の帯の様に漂う煙は帯の縁の部分の透明度が低く、くっきりとした線で見えます。
この部分は透明度の低いくっきりとしたブラシであたりを取り、透明度の高い消しゴムで削っていくほうが調整がしやすいです。
あたりでは全体の流れも意識しますが、大きくカーブする部分と、細かくうねうねする部分とを作っておくと、最終的には煙らしさが出ると思います。
煙のラインは縁が目立つ、半透明の帯をイメージする
煙は一見複雑に見えますが、基本的にはひとつづきの半透明の帯をイメージします。
透明度の高いブラシで描いていくと、帯の中に細い線が残ります。帯の捻りを意識しながら、偶然にできた細い線も強化していきます。
補強するときは透明度の高い太めのブラシで塗り、帯の中央を消しゴムで消すイメージで調整すると進めやすいです。
煙に途中で途切れる線はない。必ずフェードアウトさせる。
煙の線は途中で途切れることがありません。描き込みではとぎれた線の連続性を確認して調整していきます。
ただ、その線はいつまでも続くということもありません。
煙は基本的に発生源が濃く、遠のくと薄く広がっていきます。
そのため、線を消す時はフェードアウトさせることを意識します。
終わりに
帯のように漂う煙を描く場合、イラスト内の要素としても重要度が高くなると思います。アップで描く必要があり、煙の流れもある程度制御したいのではないでしょうか?
今回の描き方は制作時間もあまりかからず、半透明の煙が交差する複雑さも出せるので応用が効くと思います。
この描き方は下記の記事を参考にしています。
写真で見たときの複雑さをどうやって描こうかと思っていましたが、半透明のブラシを重ねることで偶然性も出せるので、とても参考になりました。
先人の知恵に感謝。
この断片があなたの星へ続く道を、少しでも照らすことを願って
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