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著者概要
デビット・アレンさんは書籍のタイトルにもなっている「GTD = Getting Things Done」という思考の整理術を考案された方です。
書籍概要
本書は2001年に出版された同名の書を、時代に合わせて書き直した改訂版になります。
GTDを行うために周辺環境は時代が進みより便利になったので、そのあたりの情報が追加されているそうです。ただ、根幹であるGTD・思考の整理術の基本原則は時代が変わっても見直す必要はなかったとのこと。
時間を経ても色あせない仕組みの強さに魅力を感じます。
GTDそのものは情報の整理術になるため、それを補助するツールに制約はありません。現在私はMicrosoft OnenoteとOutlookを補助ツールとして使い、GTDを実践しています。概要については説明ができそうなところまで手順を整理できましたので、情報を共有したいと思います。
「GTD + OneNote + Outlook」の概要図
Microsoft Office OneNoteとOutlookを使って、現在運用を試しているGTDの流れは下記になります。
OneNoteとOutlookを使う利点
普段からMicrosoft Officeのアプリ群を使っているということもあるのですが、パソコンで作業を行うのであれば選択肢として下記の利点があると思います。
「!」と思った時の起動の速さ
Windows 10ではOneNoteが2つ準備されています。ここではOneNote(Desktop)について書いていきます。
最大の利点はアイデアを捕まえるためのショートカットキー「Windowsキー + n」が準備されていることでしょう。このショートカットではクイックノートが別ウィンドウで呼び出されます。
<参考>
クイック ノートを作成して管理する – OneNote (microsoft.com)
アイデアの逃げ足は速く、アプリの立ち上がりを待っていては逃げてしまいます。そこを捕まえることができる速度があるのは魅力だと思います。
メモをした後は「Alt + F4」でクイックノートを閉じることができます。閉じたノートは自動的にクイックノートセクション(概要図のInbox)へ保存されます。
慣れてくると「!」と思ったらクイックノートにメモを取り、すぐに元の作業に戻ることができます。元の作業への影響を最小限に、アイデアを捕まえる速度でメモを取れることはありがたいことです。
ノートシールを使った「つぎにやる」「いつかやる」リスト
OneNoteにはノートシールという機能があります。タグ機能の様に思われますが、ノートシールは段落につけることができます。
読書で読み返しの目印としてつける細い付箋に近い使用感です。
OneNote内で基本的にやることは複数のノート内に散らばっています。リストが必要になった際に散らばったやることを目視で集めるのは現実的ではありません。そんなときにノートシールが役に立ちます。
ノートシールは複数準備することができます。ノートをつけているときに検討や実行が必要な項目が出てきたらそれに合ったノートシールを張るようにします。GTDでいえば「つぎにやる項目用のノートシール」「いつかやること用のノートシール」といった具合です。
OneNoteにはノートシールを検索する仕組みがあります。この検索ではノートシール毎にリストを作ってくれるため、ノートシールさえ貼って置けば「つぎにやること」「いつかやること」リストが出来上がります。
項目が増えてくるとリストの整理は時間がかかるようになります。リスト化を自動化できるという点は時間の節約になると思います。
Outlookともショートカットで連携できる
OneNoteで検討した項目はショートカットでOutlookのタスクにすることができます。
OneNoteのノートはGTDでいうところのプロジェクト単位でつくります。「~という作品について」「~という本について」という具合です。そのため、今日やることと一口に言ってもその場所は複数のノートに散らばっている状態になります。
上記のOutlookタスクショートカットを使えば、散らばった項目を手早くタスクリストとして集めることができます。
予定を調整する際にOneNoteとOutlookの行き来を減らすことができるので助かっています。
今後の課題
OneNoteで検討した項目はOutlookへタスクとして渡すことができます。ただ、この流れでしばらく実践してみたところ、課題も出てきました。
予定には順序・時間幅が必要
『ライフハック大全』の書評にも書きましたが、タスク=リストは処理のステップとしてカレンダーの前段階になります。着実な実行にも、行動の振り返りにも、項目の視覚的な順序・時間幅は必要になります。
つまり、タスクは予定表に落とし込む必要があると考えています。
Outlookの標準機能でもタスクを予定に変換することはできますが、手動で設定が必要な項目も多く手間がかかります。VBAでの実装になりそうですが、この辺りの手間を減らす検討が今後の課題ですね。
まとめ
GTDの手順を再確認することで、なんとなく使っていたOneNoteの機能・使い方を再発見することができました。
仕組みを動かしていく中で、今後も改善点が出てくると思います。流用ができそうな情報として整理できたら、共有していきたいと思います。
この断片があなたの星へ続く道を、少しでも照らすことを願って