ここまでいくつかの画面上での基本的な流れをみてきました。
「勢い」という点では、結局どれが最も強いのでしょうか?あるいはどれが一番弱いのでしょうか?
ここでは画面配置における「勢い」の強さをまとめたいと思います。
目次:
最も勢いが強い配置から最も勢いがなくなる配置
右上から左への意思を感じる流れ
上から下への自然的な流れに右から左の肯定感が加わると最も勢いがある流れになります。
右から左への意思を感じる流れ
これは右から左だけの流れを感じ、上から下への流れの影響が感じられない画面の場合です。上から下への流れがあるとそれによって勢いが減じます。
右下から左への意思を感じる流れ
右から左への肯定感には背中を押されていますが、上から下への流れへ抵抗している分、勢いは若干減ってしまいます。しかし、意思を感じる分印象としては力強くなります。
上から下への流れ
自然的に強い流れに乗っているため勢いが強まります。
このイラストは意思の表現が少ないため流された印象になっています。ここに下への意思を追加すると勢いが増し、順位が繰り上がります。
下から上への意思を感じる流れ
上から下への自然的な流れに逆らっているため、勢いは減ってしまいます。
ただしこの流れは意志のある流れになるため、力強い印象になります。
左上から右への意志のある流れ
上から下への自然的な流れと心理的抵抗感に逆らうため、勢いは弱まります。
ただしこの流れは2つの大きな流れに逆らい続ける印象から、左から右への流れの中では最も勢いが感じられます。
左から右への意思のある流れ
これは左から右だけの流れを感じ、上から下への流れの影響が感じられない画面の場合です。上から下への流れがあるとそれによって勢いが減じます。
上から下への流れには押し込められている分勢いは弱くなります。
ただし抵抗感には逆らっているため、力強い印象は残ります。
右から左への無意識の流れ
これは右から左への流れだけを感じ、上から下への流れの影響を感じられない画面の場合です。肯定感に背を押されてはいますが、意思を感じられない分勢いは弱く、流されている印象になります。
右下から左への無意識の流れ
肯定感に背中を押されてはいますが、上から下への流れに押し込められてしまっている分勢いは減じます。
左上から動く意思を感じない
抵抗感に押し込められてしまっている分勢いが減じます。ただ、上から下への流れには乗っている分動きがほんり残ります。
左から動く意思を感じない
抵抗感に逆らってはいますが、前進するほどの意思が感じられない場合勢いはなくなります。
下端にとどまる
画面の下端は上から下への自然的な流れの終端になります。動く意思が感じられない場合、ここでは勢いはなくなります。これは画面に左右への動きがない場合です。
左下端にとどまる
上から下への流れと、抵抗感に完全に押し込められているので勢いはなくなります。
この位置は立ち位置としても最も劣勢の位置になります。
まとめ
勢いという点では上から下への自然的に強い流れと、右から左への流れに対する肯定感が大きな影響を与えています。
大きな流れ(どちらか、あるいは両方)に乗ることができれば、先ずは勢いが増します。
加えてそこに意思を感じさせる要素を加えることで、勢い・スピード感・迫力を出していくことができます。
画面上の基本的な流れと、キャラクターに現れる意思。
それぞれの持つ効果を知った上で、自分の求める最終的な印象に効果の方向を揃えていく。これが勢いのある構図を作ること、画面上での勢いを調整することのポイントになると考えます。
構図要素・配置の絞り込み検索
構図を学ぶ中で、画面の最終的な印象は小さな印象の積み重ねだと気づきました。
各記事で紹介している、小さな印象のどれか1つを採用すれば、良い構図になるというわけではありません。
重要なのは小さな印象の中から、自分が求める印象を集め、最終的な画面の印象を強化していくことです。
印象の方向を揃えるために、構図要素を印象(タブ)で絞り込みできる仕組みがあると、検討の助けになると考え、仕組みを準備しています。
イラスト制作の助けになれば幸いです。
※メインメニューからは「How to」→ 「構図要素・配置の絞り込み検索」とたどってください。
この断片があなたの星へ続く道を、少しでも照らすことを願って