本作は、以前に拝読したさけハラスさんの「写真加工で作る風景イラスト」の加工手順を学ぶために制作しました。
「断頭の天使」でも書籍から得たヒントを試しましたが、そちらは部分的に取り入れての制作です。本作では、写真加工をメインにし、そこにキャラクターを配置する方向で 制作しています。
※写真素材を探したサイトは別ページにまとめております。(リンクは文末を参照)
目次:
写真加工のポイント
写真を加工してイラストを作る場合、そのメリットを最大化するためには手描きでの加筆をどこまで抑えられるかがポイントになります。
その視点から制作を振り返ると、下記の3点がより重要になると考えました。
- フィルタ処理は場所によって変える
- 昼の写真を選ぶ
- 加筆はエッジのはっきりしたブラシで行う
ここでは特に重要だと感じた「フィルタ処理は場所によって変える」を中心に書いていきたいと思います。
フィルタ処理は場所によって変える
本作では下記の様にフィルタ処理を分けました。
フィルタ処理後の加筆量は、近景と遠景で多くなります。近景ではフィルタ処理で飛んでしまった情報を補うため。遠景ではフィルタ処理を行っても多すぎる情報をさらに整理するために加筆を行います。
今回はフォトバッシュのように、いくつかの写真素材を組み合わせて風景を作っています。
制作当初は結合した上でフィルタ処理を行いましたが、思うような風景になりませんでした。そこで、書籍のフィルタ処理を参考にしながら、近景はある程度細かい部分も見えるようにフィルタ処理を行い、遠景はよりディティールが潰れる様にしています。
それ以外にも、明部と暗部でも情報量を変えています。人の目は暗い部分は見えにくくなるので、暗部はより情報を潰し、光があたり目を引く部分は情報量が多くなるように調整しました。
本作の感触から、一枚の画像から加工を行う場合でも、近景・中継・遠景を基本にパーツ分けをし、それぞれにあったフィルタ処理を行うと、最終的な加筆量を抑えられると思います。
素材写真は光の要素が少ない昼間のものを選ぶ
また、今回は素材として夕闇の写真を選んだのですが、これは悪い選択でした。
何が悪かったかというと窓の灯や街灯・車のヘッドライトといった光源です。
光源の周辺は光の影響から色の変化が複雑になります。また、光の影響で周辺のディティールは消し飛んでいます。光源を減らす方向で調整しようとすると、先の2点を描き込むのに思った以上に時間が必要でした。今回の制作ではこの作業が一番時間がかかったと反省しています。
書籍を読み返すと、光は追加する方向が簡単とあります。
その内容をより理解できたので、学びとしては一つ深いものが得られたと思いますが、今後の素材選択では昼の写真を選び、加工で時間帯を変える方が良さそうですね。
手で描くことで対象を理解し、写真合成で構成力を養う
制作する中で写真加工も手描きも、画面要素の整理の仕方は共通する部分が多いということがわかりました。ただ、加筆を行う上では、1から手描きをした経験が活きている感触も得ました。
完成のイメージを早くつかめる写真加工で構成力を培い、描き方を考えながら進む手描きで細部の理解をしていくのが、画力向上に繋がりそうです。
手法を変えることで描ける世界にも変化をつけられそうなので、また機会を作って勉強したいと思います。
この断片があなたの星へ続く道を、少しでも照らすことを願って
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