水中を表現する要素の一つとして気泡の描画があります。
大きさの異なる気泡を描くことで、よりリアリティが出ます。
ただ、大きな気泡はときに結合して複雑な形を取ります。こういった気泡をきちんと描こうとすると、結構時間がかかります。
ベースとなるものをPhotoshopのレイヤースタイルを使って作れないかを研究しましたので共有したいと思います。
目次:
気泡の特徴
スタイルの設定を探る前に、気泡の特徴を整理します。
- 輪郭は少し明るい
- ハイライトに隣接する左右は場所は暗い
- ハイライトの反対側にも光が当たる(少量)
この当たりをレイヤースタイルでつくっていけばよさそうです
水中の気泡はエフェクトとして使う場面が多いと思います。今回の描き方では光の量を誇張しています。
はじめに
小さく作って、後で大きくする
制作環境にもよりますが、複数のレイヤースタイルを組み合わせているので処理が重くなりやすいです。
検討段階では小さなサイズで検討し、配置する段階でサイズを調整するのが良いと思います。
私は普段A4サイズで制作をしていますが、今回はA6サイズで制作を行っています。
流量性の点からグレースケールで作る
気泡レイヤーのレイヤースタイルで使う色は基本的にグレースケール上の色で説明しています。これは応用や流用の点から扱いやすいためです。
レイヤースタイルの色を調整することでもっと複雑な色の変化も作れますので、試してみてください。
レイヤー構成
最終的なレイヤー構成は3枚です。うち1枚は確認のための背景です。
気泡レイヤー
気泡の特徴に沿ってレイヤースタイルを設定します。
動画で説明した順に設定していきますが、これは変化の見た目がわかりやすいという点での順序です。実際に設定するときは順番は重要ではありません。
気泡レイヤー描画モードと描画色
気泡は透明ですが、レイヤーの不透明度を変えてしまうとレイヤースタイルにも影響が出てしまいます。
黒で描画したものを覆い焼きカラーに設定すると、不透明度を保ったまま透過させることができます。
気泡レイヤースタイル詳細
光源側に出る影のレイヤースタイル
このスタイルでは「ハイライトに隣接する左右は場所は暗い」の部分を作ります。
実際には周辺の風景の映り込みですが、影と捉えて設定していきます。
輪郭となる光のレイヤースタイル
直射される光と透過後の光のレイヤースタイル
直射される光とそれが透過した反対側の光を「ベベルとエンボス」で作ります。ただ、この効果だけではきれいなハイライトにならないため、ハイライトは後で描き足します。
このレイヤースタイルは気泡の光の方向性を手早く行うために設定します。
影を除外して全体を明るくするレイヤースタイル
輪郭周辺のぱきっとした光とは別にもう少しグロー効果がほしいところです。
色の変化が馴染みやすいと判断し、全体から影を除外する方法で設定します。
※輪郭の設定はPhotoshop標準のモノを使っています。
気泡の光レイヤー
レイヤースタイルの光の効果は基本的に輪郭付近につきます。球としての立体感をだすためにハイライトは手で描きます。
光の拡散効果はレイヤースタイルで設定します。
気泡の光レイヤー描画モードと描画色
気泡はコントラストが高いので、描画は白でおこないます。
気泡の光レイヤースタイル
※光のレイヤースタイルの輪郭はPhotoshop標準のモノを使っています。
光のレイヤースタイル(光彩内側)
光のレイヤースタイル(光彩外側)
光を描くポイント
- 直接光が当たるところは光がたまって広い
- そこから輪郭の内側へまばらに広がる
- 透明なので光は透過し反対側にも入る
- リアリティを求めるなら少なく入れる
- 光のエフェクトとして使うなら、同量入れてもよい
スタイルとして登録しよう
ここまでやってきたような設定を毎回行うのは正直面倒です。
Photoshopではレイヤースタイル設定をスタイルとして登録しておけるので、わかりやすい名前で登録しておけば、また呼び出して使うことができます。
小さな時間を集めていけば、本制作により力を入れることができます。
制作動画
レイヤースタイルの値を変えることでどういった変化が起こっているかは、動画のほうがわかりやすいと思います。下記の動画もご参照ください。
まとめ
気泡そのものが主題になる作品ではそのまま使うのは難しそうですが、副題にはそのままでも使えそうです。
ただ、輪郭の太さは一定なので、逆にこまかい気泡を描こうとすると、思った色にならないようにおもいます。
細かいものはカスタムブラシをつかうなど、組み合わせるとよいのではないかとおもいました。
この断片があなたの星へ続く道を、少しでも照らすことを願って
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