今回は、井上のきあさんの「入稿データのつくりかた」を拝読しました。
デジタルで原稿を作り印刷物を制作する際に、プロは何を気をつけているのかを、基本的な用語解説を含めてまとめてくれているのが、本書の概要になります。
以前に編集した画集「0.1 Illustration Log Vol.1」の印刷結果を確認した際に、PCのディスプレイと比べて黒が強い印象がありました。机上と印刷イメージを近づけていくヒントを得たいと思い、読んでみました。
解説のソフトウェアはAdobe社のものが中心となり、人によってはなじみが薄いソフトウェアもあると思います。それでも、イラストレーターの職業を視野にいれるのであれば読んで損はないと考えます。その先の工程で何が行われているのか、どんな用語が使われているのかを知っているのは、コミュニケーションを取っていく上で助けになると思います。
自分も印刷の用語には明るくないのですが、例えば下記の用語は本書を読むまでわかりませんでした。
- オーバープリント
- ノックアウト
デジタルで原稿を作る場合、レイヤー設定や効果が上記に関係してくるということで、自分にとって初めての知識だったので、興味深く読むことができました。
画集を編集する中で、ネットから得られた知識もありましたが、調べた内容が一冊にまとまっているのは、情報を振り返る際にも助かりますね。
さて、机上と印刷物を近づけるhintですが、CMYKモードでのインク量が解決のhintになりそうです。
印刷を依頼する際には、各インクの合計値(%)を印刷所の指定値内に調整するのが一般的とのこと。その際に一番気をつけるのが、「カラーピッカーの右下の黒」とのことでした。色の考え方を変えて以来、右下の黒周辺はよく使っています。
前回制作を依頼したRedTrainさんの「ONEBOOKS」サービスでは、インク量の上限指定がなかったため、自分でもインク量の合計は確認していませんでした。他の色はディスプレイの表示と離れていなかったため、黒のインク量を調整すれば、画面と印刷物を近づけることができるのではないかと思いました。
仮説の段階ですので次の機会に検証し、結果を記事にできればと思います。
この断片があなたの星へ続く道を、少しでも照らすことを願って