「それ」が、いつからそこにいるのか、覚えている者はいない。
遠い過去に意思の疎通を図ろうとした者がいたそうだ。しかし、それは静かにほほ笑むだけだった。こちらの言葉が届かないのか、あるいは届いていても答える気がないのか。
遠い過去に暴力での排除を謀ろうと者がいたそうだ。しかし、それは静かにほほ笑むだけだった。そして、突撃を示す鬨の声を最後に、一団の姿は風の中に消えてしまったらしい。
人の口伝が尽きてしまうほどの時間をこえて、それが、いったい何なのか、知っている者はいない。
それでも時折遠くを見るように上げた横顔を見れば、それが何かを待っていることだけは、察することができた。
![「古き神の信徒」](https://i0.wp.com/c1upp.info/wp-content/uploads/2023/03/40ece9746d24d4e64386e0989e56150d.jpg?resize=729%2C1024&ssl=1)
目次:
テーマ
断片
モチーフ
古い彫像とその信者
コンセプト
断絶した信仰とその力
挑戦課題
ドライメディアブラシを使った制作