構図:右上・右下から左への流れ(基本の流れの組み合わせ)

構図:右上・右下から左への流れ(基本の流れの組み合わせ)

上下左右の基本的な流れはそれぞれ単独ではなく、組み合わさって働いている場合が多くあります。今回は上から下への自然的な流れ、下から上への抵抗の流れに、右から左への肯定的な流れが組み合わさった場合にどのような印象になるかを見ていきましょう。

【構図要素】右上から左への流れ

右上からの流れが最も強い流れになる

上から下への自然的で強い流れと、右から左への肯定的な流れが組み合わさると画面上での流れの印象は最も強くなります。

また、右から左への流れよりも上から下への流れのほうが強いため、この流れに乗る動きは左下方向へ弧を描く印象になります。

このため、見ている人に向かって来る印象になり、勢いと良く迫力が強調されます。

右上からの動きは最も迫力がある印象になる
右上からの動きは最も迫力がある印象になる

【構図要素】右下から左への流れ

右下は基本的に劣勢。しかし、意思の方向によって背中を押される。

右下は上から下への流れの終端にあるため勢いは弱くなります。
右下にモノがとどまっている場合弱く・劣勢の印象にはなりますが、右から左への肯定感に背中を押されて劣勢は若干緩和されます。

右下の劣勢は肯定感によって緩和される
右下の劣勢は肯定感によって緩和される

右下から左への流れがある場合意思を感じれば右から左への流れの勢いに乗ることができます。そこに上方向への流れを加えれば、意思の強さを強化することができます。

肯定感に意思を加えれば逆境をはねのける
肯定感に意思を加えれば逆境をはねのける

ただし、これは意思を感じる場合です。
右下から左への動きがあれば、肯定的な流れに乗ることはできますが、そこに意思を感じなければ上から下へ・右から左への大きな流れに身を任せただけで、意思表示の少ないおとなしい印象になります。

主張をしないおとなしい印象
主張をしないおとなしい印象

構図要素・配置の絞り込み検索

構図を学ぶ中で、画面の最終的な印象は小さな印象の積み重ねだと気づきました。

各記事で紹介している、小さな印象のどれか1つを採用すれば、良い構図になるというわけではありません。

重要なのは小さな印象の中から、自分が求める印象を集め、最終的な画面の印象を強化していくことです。


印象の方向を揃えるために、構図要素を印象(タブ)で絞り込みできる仕組みがあると、検討の助けになると考え、仕組みを準備しています。

イラスト制作の助けになれば幸いです。

※メインメニューからは「How to」→ 「構図要素・配置の絞り込み検索」とたどってください。


この断片があなたの星へ続く道を、少しでも照らすことを願って

投稿者: 0.1

厚塗りで「存在感や重さ、質感による説得力」のあるイラストを目指しています。 日本では線画をベースとしたイラストが主流ですが、そこから外れたモノもイラストの世界を広げる為に必要だと考えています。「世界観にもう一味試したい」そんなときには、ぜひお声がけください。

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