本作はTwitterで開催されていた、EIZO株式会社のイラストコンテストへ向けて制作しました。
テーマは「旅」。「日常からの逸脱」が描けていれば幸いです。
今回は制作に当たり、描きを課題としています。
- イラストの設計に黄金比を入れる
- 書き込みは木炭ブラシに戻す
舞台として古い電車の車両を選んでいます。左右対称で単純な一点透視になりそうだったので、画面上での収まりは一工夫しようと考えました。
具体的には画面奥、車両の構造として上表料が上がる部分で、黄金比が重なる様に配置しています。左右から中央のドアと、床と空の割合です。
黄金比は知識として知っていましたが、構図として使ったことはありませんでした。構図の勉強として視覚デザイン研究所の「構図エッセンス」を読んだあとだったため、「広く好まれる比率」「比率構成を繰り返すことでの、構成トーンをあわせる」という効果を求めて取り入れて見ました。
どこまで効果が出ているのか、図る方法がいまいちないのですが、ラフの段階ではきれいに収まったと感じました。今は知識として借りてきているっだけなので、もう少し使い込んで行きたいですね。
また、「not(人生の終わり) ≒ 生涯の完成」制作の反省から描き込みのブラシをPhotoshop標準の木炭ブラシへ戻しました。戻してみると表情があるブラシのほうが、描き重ねるという効果を実感できました。特にラフのニュアンスを残したい部分では、効果が高いと感じますね。ブラシの使いわけができてくると、向上して行けそうです。
今回の反省点は、影(シャドウ)についてです。
しばらく前から自分のイラストを見返すと「物を配置しているだけ」という印象を受けるようになっていました。
制作しながら気がついたのですが、自分はシェイド(モノの暗部)には気を配って描き込みますが、シャドウ(遮られてできる影)にはあまり気を配っていないようです。要素単独であれば、シャドウの影響は小さいですが、空間として設計するのであれば、画面全体のシャドウは重要な要素になると思います。
気がついてしまえば基本的なことが抜けていたと思います。
自分のことはなかなか気が付かないものだと、改めて感じました。
シャドウについては、ラフの段階で明暗のバランスとして設計していきたいと思います。
この断片があなたの星へ続く道を、少しでも照らすことを願って