年賀状2020「迎陽」

2020年あけましておめでとうございます!
子年ということで新しい1順の始まりですね。この一年が明るい光がさす年になりますよう願いを込めて。
本作で試みた暗い色から制作をスタートするというのは、厚塗りという手法では有効だと感じました。2020年はこの制作方法を研究していきたいと思います。知識として知っていることも実践の中で自分で検証することが大切だと改めて感じました。
2019/11/30~12/11 – 17h

「年賀状2020」2019/11/30~12/11 - 17h
「年賀状2020」2019/11/30~12/11 – 17h

本作は2020年の年賀状用に制作しました。

2019年は制作案件で和のモチーフを描く機会を多くいただきました。そこで得た情報・技能を自分の制作にも反映・発展させ、今後のお仕事にも返して行ければと思います。


干支の始まりの年なのでこの一年が明るい光がさす年になるよう願いを込めて。

モチーフは干支の子と一寸法師です。
自分の中では一寸法師が着物姿の侍だったので、もう少し戦いの要素がほしいと思い甲冑を着た武者にしています。胴丸ベースのデザインなので低めの階級ですが、明王の様な火焔光背を背負って戦う実力派。切り込み隊長として活躍していそうなイメージですね。

以下反省


制作の中で一番実感したのは「暗い色から明るい色へ塗ること」が大切だということです。

きっかけは、制作前にオランダ・ハーグ派の絵画を見る機会があり、油絵では暗い色からはじめ、明るい色を乗せていくのがセオリーだと思い出したことです。以前は不透明度を下げて描いていたのですが、最近は不透明度が高いブラシをよく使っています。デジタルですので実際には厚塗り風なのですが、不透明度という方向でヒントが得られないかと思い試してみました。

本作で試してみると下記の点で有効だと感じました。

少ない手数で描ける

ここまでの描き込みは「基準色を決める」「影を描き込む」「光をのせる」の手順で行っていました。今までに作成したイラストを眺めてみると、画面で暗い部分は多くあります。つまり、基準色から始めると影を作るために広い範囲を塗り直しているということです。ここはあまり意識していませんでした。

また、制作ではスポットとして光を入れる様に気をつけています。一枚絵では全体を明るく描くよりも、スポットライトのような光を使ったほうがストーリーを作れると考えているからです。

上記をあわせて考えると、暗い色から光へ色を乗せていく手順では着色面積が減る方向になります。このため、手数を減らすことができたのではないかと思いました。

今回の制作時間は17hでした。

要素が少なめとはいえ、実感としてもスムーズに進行できました。この手順は研究してみても良さそうですね。


情報量調整の判断がしやすい

画面構成の基本は差を作ることです。色や明暗は差を作る要素としてわかりやすいですが、境界線をはっきりと描かない厚塗りでは「描き飛ばす」ことで情報量に差を作ることができます。主題の情報量(密度)を高くし、周囲の情報量を下げることで主題へ視線を集めることができます。


ここまでの描き方でも描き飛ばすことで情報量に差を作ることは試していたのですが、光まで描いたところで「描き込みすぎた」と慌てたり、他を描き込んでみると、先程完成と思った箇所が足りなく感じたりすることがままありました。

後から考えてみると、ここまでの塗り方ではパーツパーツの立体感を作ることを優先して考えていたように思います。一方今回の暗い色から描き込むという方法では、画面全体の明暗のバランスに意識が向いていたように思います。

今回の様に暗い色から始め、今までのように個々のパーツの立体感を優先すると、その部分だけ極端にバランスが崩れた様に感じます。一箇所だけの描きこみをするよりも、全体を進める方がバランスが取りやすくなるため、結果としてより全体を確認するようになるのだと思います。

また、全体のバランスを常に意識しているので早い段階で「ここはこれ以上描くと、明るくなりすぎる」と判断ができたように思います。

基準色から始めると基本的に全体が明るめなので、バランスが崩れたことに気づきにくかったのでしょうね。そのため、バランスが崩れたとしても「他を描いてみてから直そう」と無視していた用に思います。

まだ予感のかけらを掴んだ状態なので、順序立てての説明は難しいのですが「暗い色から明るい色へ塗る」ことで、スムーズな制作ができそうです。

2020年に先駆けての制作としては、よい発見ができたと思います。

掴んだ予感のかけらを検証し、考え方や利点が整理できたらまた別の記事にしていきたいと思います。


この断片があなたの星へ続く道を、少しでも照らすことを願って

投稿者: 0.1

イラストレーター/0.1up project著者 厚塗りで「存在感や重さ、質感による説得力」のあるイラストを目指しています。 日本では線画をベースとしたイラストが主流ですが、そこから外れたモノもイラストの世界を広げる為に必要だと考えています。「世界観にもう一味試したい」そんなときには、ぜひお声がけください。

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