遺跡の中としては広く、講堂か何かだったのだろう。
天井から幾筋かの光が差し込んでいる。
少しとはいえ、日の光が感じられるのはありがたい。
しばらく待っていると、小石がころがる音が聞こえた。
目を向けると、光の筋の向こうからやってくる彼女の姿が見えた。
めずらしく思案を巡らせていのか、少し顔を伏せて歩いている。
こちらに気づいていない様だ。
声を掛けようと上げた右腕が胸の前で止まる。
光を背負い、影のかかったその彼女の顔。
その目に走る光は、これまでに見せたことのない色だった。
目次:
テーマ
淀みと言葉
モチーフ
Daemon-Eater
コンセプト
※「テーマ(目的)」+切り口
古き言葉には学ぶのか あるいは、よどんだ言葉に溺れるのか
挑戦課題
描き込みの差をつくることで、画面の注目ポイントを強調する
発見/制作後記
今回は以前にデザインした「Daemon-Eater」です。ショートストーリーとしての連作が描ければと思っているのですが、どこまでかけるかは実験です。
たしか、肌を描く練習がしたかったのでビキニアーマーを描いてみるかと思いついたのですが、この格好で遺跡探索はしないですね。敵の前に病気で死にそうな気がします。
閑話休題
描き込む場所、描きこまない場所で差をつくる
画面上で差をつくることを意識しています。
今回は描き込み量の差をつくることを意識して、制作を行ってみました。具体的には光の当たる部分の描き込み量を多くし、影の部分の描き込み量を減らしています。
影の部分の描き込み量を抑えることで、光が当たる部分がより強調されることをねらっています。キャラクタの右腕周辺と左目に目が行くのでなかなか良い取り組みになったと思います。
以前は「描かない部分をつくるのは妥協」となんとなく思っていました。
ただ、今から考えると「どこを見せたいのか?」まで気が回っておらず、だから全部描かなければいけないになっていたように思います。
リアリティは欲しいですが、それだけではなく意図もうまく組み込んで伝えられる絵を描ける様になりたいですね。
まだまだ描きなれない方法ですが、描き込みの差を作った方が画面に変化が出て面白いと感じました。ニュアンスとして描き飛ばすという方法は主線を使わないイラストならではの方法だと思うので、これからも研究していきたいと思います。
調整は描画モード「カラー」で戻す
剣士キャラとして描いていくと、腹筋をしっかりと描きたくなりました。ただ、ラフの時には検討していなかったこと、腹筋はまだ描きなれていないこと。この2つの点からカラーでバランスを取るのが難しそうでした。
部分の色が多くなると、立体を修正する時の色の置き方が複雑になります。慣れない立体を描こうとすると、混乱して制作時間も長くなります。
混乱を減らすために立体はグレースケールで調整しているのですが、ここまでのやり方では色が鈍く(灰色っぽく)なりやすいのが悩みでした。
今回わかったのは描画モードの「カラー」で乗せればよいというものです。
手順は簡単です。
- 原画をコピーする
- 片方をグレースケールで調整する
- もう一方をレイヤー効果「カラー」で、グレースケールのレイヤーに乗せる
色の範囲が大きく変わった場合は調整が必要ですが、色が変化しない点はカラーラフ後の調整に効果が高そうです。
「カラー」効果があることは知っていたのですが、以前に試したときはどういうものなのかよくわかりませんでした。効果がわかった後に、公式の文章を読んでみるとそのままでしたね。
ふりかえってみると、カラーレイヤーにカラーレイヤーを重ねてしまっていたのでわかりにくかったんですね。
描き込みの為にレイヤーを合成した後、細部の再検討が必要になる部分は結構多いので、今後「カラー」モードはお世話になる機会が増えそうです。
まとめ
製作にはPhotoshopを使っています。一通りの機能は試しているのですが、当時の理解が追い付いていないだけで、使い方がわかれば助けになってくれる機能はまだまだありそうです。
よくわからなかった機能については、もう一度学び直したいと思います。