本作は「幻想芸術考9」展に向けて制作しました。
テーマは「シリウスを目指して」
コンセプトは「巨大な困難を乗り越えて、高き星を目指す」
ここまで関わった仕事としての制作の感触からすると、厚塗りはモンスター系と相性が良さそうです。そこまでは反省を行っていたのですが、振り返ってみると個人制作ではモンスターを描いていませんでした。
モンスターを描いたのは「かぼちゃ畑の騎士」で描いたのが最後になります。そこでファンタジーの世界観の中で存在も大きいモチーフであるドラゴンに取り組んでみることにしました。
以下反省
制作を終えてみると「ウロコ」と「顔」が今後の課題になりそうです。
ウロコは密度と大きさが重要
ここまでに何回かドラゴンに挑戦しているのですが、毎回ウロコを整える時に時間がかかってしまいます。
今回の制作内でわかったのはあたりの段階のウロコが細かすぎるようです。細かすぎると質感を出す中で気持ち悪さが出てきてしまいます。このあたりのサイズ感が自分の中にできていないので、ドラゴンだけでなく別の題材でも検証しながら自分のセオリーを作っていきたいと思います。
私はイラストレーターのタカヤマトシアキさんの書籍・動画の情報を参考に描いています。
ウロコを検討するときのポイントとして「よく動くところは小さく、あまり動かない部分は大きくする」ということを言われていました。情報としては知っているのですが、実践するとなるとまだまだ経験則がたりなさそうですね。
ウロコの考え方は鎧と共通すると考えています。鎧もすべてのパーツがひとつなぎというわけではなく、動きの大きい部分は鎧がなかったり、ある程度の自由度を確保していたりします。これを静物の体表で描いていけばウロコになるということなんでしょうが、ここは実践しながら研究ですね。
今回の制作時間は37h。うち10hはウロコを調整していたように思います。
顔の描き方を考える
今回のドラゴンの顔は犬・狼を資料として描いています。牙の見せ方やその時のシワの寄り方がイメージに近かったので選びました。
ただ、少し東洋龍っぽくなったように思いました。最近は描くときはできるだけ参考資料をみるように心がけているのですが、まだ資料の観察が足りないように思いました。
以前にイメージで描いたドラゴンの方が西洋竜としては描きたい顔だと思います。そこにリアリティを追加していけるように集める資料の方向は再検討が必要そうです。(東洋龍を描くときは犬・狼の頭は参考になりそうですね)どちらかといえば猫なのかなと思います。
この辺のイメージは描いてみて分かる部分かと思いますので、次の制作では資料選びの際に参考にしていきたいと思います。
この断片があなたの星へ続く道を、少しでも照らすことを願って