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戒律への執着
絵画では洞窟内で座禅を組み、周囲に集まった小鳥たちが懐に入るなりして遊んでいる姿が描かれています。自然と一体化し、静かで穏やかな時間が感じられますね。
今回はそんな注茶半託迦尊者と結の一つ戒禁取をモチーフにしています。
戒禁取は誤った戒律へのこだわりをさします。本来は執着に近いものだと思いますが、ここでは資料を参照している中で得たイメージの「誤った苦行を強制される」を採用しています。
鳥の魔物に拘束されて、終わりのない苦行を強いられているイメージですね。
鳥を魔物とする時に元の可愛らしいイメージから離したかったので、強く怖いイメージの鳥を探しました。尊者は色を暗めにしたかったので、逆に明るい色を使えるハゲワシを選んでいます。
苦しみと狂気が描けていれば幸いです。
シールシリーズはAGAWA様のカードショップにて販売中です。
「異・仏教伝」内容紹介動画
AGAWAさんから購入者の方がつくってくれた紹介動画をご連絡いただきました。静止画ではわかりづらい販売物の質感などの参考になりましたら幸いです。
カラーラフはCMYKで検討する
最後に、制作をとおしての反省。
尊者を落ち着いた色にしたかったので、鳥の魔物とエフェクトの彩度を高めに設定しました。ここまではカラーラフまではRGBで制作し、CMYKへ変換してから完成稿を進めていました。色の変化も少なかったので、今作も同じ手順で進めましたが、変換してみるとエフェクトがかなりくすんでしまいました。
考えてみれば、RGBに比べCMYKは青領域の表現幅が狭いため当然の結果です。今回はカラーラフのときよりもエフェクトで使う色相の幅を広げ、相対的に青の鮮やかさを出すようにしました。ただ、個人的には気になるほどの色の変化でしたので、今後はカラーラフの段階でCMYKへ変換を行いたいと思います。
良い教訓を得られました。今後に活かしたいと思います。
この断片があなたの星へ続く道を、少しでも照らすことを願って