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マッスとは?
マッスとは絵画技法の用語です。マッスは構図を考える際の基礎になります。
マッスを言葉で示すなら「画面をトーンによって大まかにグループ化したシルエット」となります。
マッスのとらえ方
マッスは個々の要素ではなく、画面の明暗に注目します。
マッスを確認する場合は、画面をグレースケールに置き換えるとわかりやすいでしょう。
画面をグレースケールにした後は、明暗が近しく、つながった部分はひと塊としてそのシルエットを確認します。このひと塊としたシルエットがマッスになります。
三角形構図や楕円構図といった代表的な構図も、マッスの考え方が基礎になっていることが分かります。
マッスはシルエットを見ていきますが、ここでいうシルエットは暗い部分だけではないことに注意しましょう。先に上げた三角構図で考えた場合でも、背景が明るく、三角のマッスが暗くなる場合もあれば、逆に背景が暗く、三角のマッスが明るくなる場合もあります。
マッスと構図のバランス
マッスは構図のバランスという点でも重要なものになります。
構図のバランスを確認するとき、まずはバランスの軸を探します。
明示的な軸がない場合、画面のバランスは画面の中心線を軸としてみていきます。わかりやすい考えなので、ここでもバランスの軸を中心線として話を進めます。
バランスの軸を見つけたら、軸の左右のマッスに注目します。この時にすべてのマッスに注目しようとすると混乱します。背景に比べて特に差が大きく、目立つマッスに注目するとよいでしょう。
注目するマッスを検討したら「大きさ」「トーン」「中心軸からの距離」を見ていきます。
構図のバランスはマッスの印象上の重さで測っていきます。その第一要素はマッスの大きさです。マッスの大きいものは重く、小さいものは軽い印象になります。
加えて、マッスのトーンに差がある場合はその印象で補正がかかります。基本的にトーンの暗いマッスは重く、明るいものは軽い印象になります。
ただ、実際の画面では左右で同じ大きさのマッスを配置したり、同じトーンのマッスを配置したりするのは、一部の構図に限られます。多くの場合は軸の左右に違う大きさ・トーンのマッスが配置されることになります。
そこで最後に注目するのが、軸からマッスまでの距離です。具体的には、印象の重いマッスは軸に近づけ、軽いマッスは軸から遠ざけるように配置します。「~の法則」とも呼ばれる考え方になります。