本作はスタジオ地図主催のイラストコンテストへ向けて制作しました。
サマー・ウォーズが10週年ということでの企画でした。そんなに経つんですね。大好きな作品です。
今回は書籍からの知識の実践として「支配色」と「暗部は周辺の色の影響を強く受ける」という内容を、検証してみたいと思います。
具体的には、夏の空の色を支配色とし、その色をラフに乗せた上で配色をしていきました。
結果としては、早い段階から画面全体の「らしさ」をつかみやすく、混色時にも馴染みやすいという点から、有効性を実感しました。
デジタルでは完成後に、オーバーレイなどで色を乗せることもできますが、最初から支配色を配置したほうが、色のバランスを常に確認しながら進めていけるので、調整の時間も短くできると感じました。特に画面上で混色をする厚塗りでは効果が高いように思います。
上記のように色の検討については、得るところが多かったのですが、それ以外に反省点が2つありました。
1.人の顔の検討に時間がかかりすぎている
今回は、ヒロインの顔の角度が難しく、時間がかかってしまいました。
自分の描き方では、手を入れすぎると顔が濃くなってしまうので、そこからの調整に更に時間がかかってしまいました。
顔のバランスのとり方が弱点なんだなと、改めて感じました。基礎力を上げて、描きたい雰囲気を作れるようになりたいですね。
2.服のシワの検討に時間がかかりすぎている
風にたなびくスカートは描きたいモチーフなのですが、得意というわけではないんですよね。
この改題、基本的には顔と同じだと思います。知識だけで描こうとしているため、手探りで正解を探す時間が長いんですよね。
「資料が大切」というのはよく言われることですが、ことリアリティを求める際には重要だなと反省しました。シワも資料を探して行きたいですね。
以前から「質感は出せているのに、形がとれていない」と指摘されることが多いので、その部分を強化していけるように、精進していきたいと思います。
この断片があなたの星へ続く道を、少しでも照らすことを願って