構図:上から下の流れと上下の関係性

構図:上から下の流れと上下の関係性

モノは上から下に動く。これは「モノが下に落ちる」という自然の法則から連想される印象です。この小さな印象は、イラスト上で動きを作るだけではなく、配置されたモノの関係性にも影響を与えます。今回は、上から下への流れと関係性について解説していきます。

【構図要素】上から下への流れ

上に置かれたモノは下に動く

イラストの画面上に置かれたモノに動きはありません。しかし、動きそうに感じる方向というものがあります

もっともわかりやすいのが画面の上に置かれたモノは下に動きそうというものです。

上に置かれたモノは自然の流れに乗って下に動きそうに感じる
上に置かれたモノは下に動きそうに感じる

画面内での力の流れとしては、上から下への力はもっとも強いものです。ただ、自然的な流れのため当たり前という印象にもなります。

上から下への大きな流れに乗っているモノに意思を感じれば勢いがある印象になります。

しかし、大きな流れに乗っていても意思がない様に見えれば、受動的で流されている印象になります。

下に置かれたモノはもう動かない

画面の下側は上から下への流れの終端になります。そのため、ここに置かれたモノの動きはなくなります。

一番下は流れの終着点
一番下は流れの終着点

【構図要素】上下の関係性

単独の要素では移動の方向性になりますが、2つ以上の要素が配置されると関係性が生まれ、優劣を感じるようになります。

上に置かれると優勢、下に置かれると劣勢

基本的には上にあるモノ自然的に強く感じられます。これは上から下への流れに沿って下のものへ力を加えているように感じるためです。

上のモノが優勢、下のモノが劣勢
上のモノが優勢、下のモノが劣勢

上のモノが大きくなると圧迫感が強くなる

これをさらに強調し、画面上部に大きな要素を配置すると圧迫感を表現できます。

上に大きいモノが置かれると圧迫感が強調される
上に大きいモノが置かれると圧迫感が強調される

※説明の図では配置以外に漫画的表現によって効果を強調しています。こういった小さな要素の積み上げが最終的なイラストの印象へと繋がります。

構図要素・配置の絞り込み検索

構図を学ぶ中で、画面の最終的な印象は小さな印象の積み重ねだと気づきました。

各記事で紹介している、小さな印象のどれか1つを採用すれば、良い構図になるというわけではありません。

重要なのは小さな印象の中から、自分が求める印象を集め、最終的な画面の印象を強化していくことです。


印象の方向を揃えるために、構図要素を印象(タブ)で絞り込みできる仕組みがあると、検討の助けになると考え、仕組みを準備しています。

イラスト制作の助けになれば幸いです。

※メインメニューからは「How to」→ 「構図要素・配置の絞り込み検索」とたどってください。


この断片があなたの星へ続く道を、少しでも照らすことを願って

投稿者: 0.1

厚塗りで「存在感や重さ、質感による説得力」のあるイラストを目指しています。 日本では線画をベースとしたイラストが主流ですが、そこから外れたモノもイラストの世界を広げる為に必要だと考えています。「世界観にもう一味試したい」そんなときには、ぜひお声がけください。

「構図:上から下の流れと上下の関係性」への1件のフィードバック

COMMENT